貧者の一灯ブログ

マイペースで自己満足のブログを投稿しています。

貧者の一灯・特別編















人は、遠い将来のことを考えた上で行動しなけ
れば必ず身近に心配事が起こって来るものであ
ると言う意味で、現代の私達に諭しています。


以前、地元の中堅問屋のT社長が、次のような
話をされたことがあります。


50代半ばのT社長はゴルフ焼けなのでしょう
か、たくましい感じの顔を些かゆがめながら、
「実は、長年一緒にやってきた常務(義理の弟)
が私に反論し、思うとおりに動いてくれないの
です。


仕事はよくやってくれるのですが、経営陣とし
て今の状態では、他の幹部社員にも悪影響がで
そうです。何とかならないでしょうか。」と話
されるのです。


T社長は、裸一貫で事業を興し、幾多の苦労を
乗り越え、当時では、30億程の商いをされる
程まで成長されていました。


誠実で無茶をしないタイプでまさに努力の人と
いう感じのする人でした。


私は、その他にさまざまなことを聞いた後、最後
に「以前から常務は、社長に反発されていたんで
しょうか?」とたずねました。


T社長は少し考えられて、「若い頃からそうだ
ったが、最近特にひどくなったと感じる。」と
話されました。


私は、“これだな”と思い次のような話をしまし
た。 「社長さん、常務の社長に対する感情や態
度に以前との大きな変化はないと思います。


それより、常務の態度に気をとられている社長の
方が心配です。


以前は、そんな常務とでも、ここまで会社を引
っ張ってこられた情熱が社長にはあったに違い
ありません。


本来、社長の夢は常務の更正ではなく、地域で
ダントツの企業を作ることにあったのではない
でしょうか。


ところが、道中端で常務の力添えの足りないこと
を嘆いておられる。


今こそ、社長自身の力で、自分の夢に邁進する
時でしょう。」 T社長は、「なるほど、そう
でしたね。


私が独立した時の夢は、京都でNo.1の会社
になることでした。若い頃は、このことだけを
考えてやっていましたが、最近は生活が裕福に
なったせいか、すっかり忘れていました。


もう一度初心に還って頑張ります。」とおっし
ゃってお帰りになりました。


もちろん、その後のT社長は、京都でNo.1
の地位を確立され、今では関西でトップクラス
になるための努力をされています。


※…
このような状態に陥った経験はないでしょうか。


卑近な例ですが、私の高校時代は、甲子園を目指
す球児でした。下積みの頃、グランド整備の時に、
ファウルラインがまっすぐ引けない私に対し監督
が、「ファウルラインを引くときは、あの遠くの
外野ポールだけを見て引け!」と言われました。


不安ながらやってみると見事にまっすぐ引けた
ことをよく覚えています。


また、幕末の雄、坂本竜馬の肖像画を見ると気づ
くことがあります。


袴に革グツ、腰に日本刀、懐にはピストルと理
解しがたい風体ながら、その眼は、しっかりと
自分の信じる遠くを見つめているのです。


ご存じの通り竜馬の生きた時代は、波瀾万丈、
現実を生きるのがやっとの時代でした。


しかし、竜馬は浦賀沖に来航した黒船を見て、
日本の将来に向けて、その血をたぎらせたので
しょう。


身近な問題を無視することはできません。


目の前の問題を着実に解決してこそ、企業の発
展があると信じています。


しかし、そこだけにとらわれてしまうことが恐
ろしいのです。


遠い将来を見ることを忘れ、近くのことばかり
にとらわれることは、羅針盤なしで航海に出て
いるようなものでしょう。


身近な問題にとらわれて悩み、疲れ果てて気が
ついたら、白髪の浦島太郎になっていたという
ことにならないようにしたいものです。…












※…青空が見えた誕生日


私の誕生日はいつも雨。それも、外に出られな
いほどの大降りになるんです。


でも今年の天気予報は「曇りときどき雨」。
ヤッター!


そこで、自分で自分を祝おうと思い、何日も
悩んだ末、前から気になっていたケーキ屋さ
んと花屋さんに行こうと決めました。


当日は雨どころか、青空が少し出ていて嬉し
さ倍増。バスで街に着き、まずはケーキ屋さ
んに行きました。


ひそかに狙っていたケーキが1つだけ残ってい
て、心の中でガッツポーズ。


店員さんが「何かのお祝いですか?」と言って
きたので、「誕生日です」と言うと、「ロウソ
クは18本まで無料ですがどうされますか」と聞
かれました。


「すみません。私の誕生日なので、18本じゃ足
りません」と言ったら、サービスでクッキーを
くれ、とびっきりの笑顔で「おめでとうござい
ます!」。


これまで、夫以外の人から「おめでとう」と言
われた記憶がない私は、思わず嬉し泣きしてし
まいました。



※…思わず嬉し泣き


お次は花屋さんへ。気に入った花束を持って
レジに行き、ポイントカードと一緒に店員さん
に渡すと、「あら、今日誕生日なんですね!」
と言って、なんと追加でもう1つ花束をプレゼ
ントしてくれたのです。


またしても嬉し涙がポロリ。


2つの花束とケーキを持って帰りのバスを待っ
ている間、以前親から言われたことを思い出
しました。


「あんたは祝福されて生まれた子じゃない」
「お前なんか、この世からいなくなっちゃえ」。


毎年誕生日に雨が降るのは、生まれてはいけな
かったからだと思って生きてきました。


でも今日は、青空が見える。私、生きててい
いんだよね? 生まれてきてよかったんだよね?
と心の中でつぶやきながら、またしても涙が。


家では夫にも祝ってもらい、とてもハッピー
な一日になりました。