静けさと沈黙が部屋に満ちている。 聴診をしようとしてかがみ込んだ時、胸ポケ ットに入れていたボールペンが床に落ちた。 拾おうとして顔を横に向けると視線が男の 目の高さに合った。 この世を去ろうとしている人間と窓から見 える少しかすんだ山が同じ視野に入った。 「ああ、この人が見た最後の光景はこれだ」... 続きをみる
2023年12月のブログ記事
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※… このささ山には、尻尾が長くて大きなウサギが います。 ある日、山へ出かけるおじいさんが太郎に言い ました。 「夕方には帰ってくる来るから、おかゆをつく って待っててくれ」 「うん、わかった」 太郎はおじいさんを見送ると、おかゆを作るな べを洗い始めました。 するとその音に気づいた... 続きをみる
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※…飼い主とペットの両方が高齢化する 「ペットの老老介護」では、さまざまな問題 が起きる。「犬が認知症になった場合、夜鳴 きは深刻な問題になる。 多くのケースでは服薬で収まるが、薬が効か ずに追い詰められてしまった」という ※… 「声なんかなくたって、ママと一緒にいられる ほうが幸せよね」。 愛犬... 続きをみる
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※… 范蠡は太宰嚭に八名の着飾らせた美女を納めた。 「あなたが越国の罪をお許しになれば、またこ れより美しい者を献上いたしましょう」 この言葉を受けた伯嚭は、呉王夫差に進言する に至る。 「いにしえから、国を討つ者は、これを服従さ せるのみでした。いま、越はすでに我が呉国に 服従しています。こ... 続きをみる
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二日前の夜、その日3度目の回診のため病室の ドアをノックして開けると、東京に嫁いでいる 娘がいた。彼女は身重だった。 彼は時折襲って来る激痛に堪えつつ、苦しい呼 吸の中で娘と話していた。 彼の首にできた腫瘍は気管、食道を圧迫し神経 をも侵していた。 彼は自分の中の苦痛と不安を振り払うように娘 を見... 続きをみる
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※… お母さんは、どういう訳か姉のお千代が大嫌いで、 いつも妹のお花ばかりを可愛がっていたのです。 ある冬の寒い日の事、お花がこんな事を言いまし た。 「お母さん。お花、イチゴが食べたい」 するとお母さんは、お千代に言いつけました。 「お千代、お花の為に、いますぐイチゴを摘んで おいで」 ... 続きをみる
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※… 愛するペットの治療に、あなたはいくらまで出せ るだろうか。 「50代女性のケースでは、獣医師から『膀胱の 全摘手術で70万円』と告げられ、治療を断念する しかなかった。… ※… 朝の散歩で、愛犬は真っ赤な血尿を出した 「膀胱がんですね。◎△動物医療センターに仮 予約したのでCT検査を受けてく... 続きをみる
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